簿記3級からの外資系経理部’s diary

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【入門から合格まで】日商簿記2級 気になる使った教材📚勉強時間⏰費用💰

 

 

日々簿記2級取得に向け勉強に励まれる皆様お疲れ様です。

こちらは私が簿記2級を取得するにあたって手に入れた、直近(2022年6月18日受験)の情報となります。

必ずしもこれから簿記2級へ挑まれる方のお役に立てる内容となっておりますので、

是非ご参考にしてください。

 

目次

☞ ⑴ 試験概要について

☞ ⑵ 勉強時間

☞ ⑶ 教材(Youtube含む)+費用

☞ ⑷ 勉強方法

☞ ⑸ 心構え(モチベーション維持)

☞ ⑹ 試験環境(ネット試験で受けましょう)

 

簿記2級は決して簡単な資格では無く、取得するには十分な勉強時間、そして何より根気が必要となります。但し、必ず時間を掛ければ解答力は向上し、どなたでも取得可能な資格であることは間違いありません。

私も勉強中は不安で仕方が無く、幾度となく心が折れ、何度も諦めようと思った事がありました。

以降私が記す情報が皆様の簿記2級合格のお役に立ち、ビジネスや進路において活躍されることを心よりお祈り致します。

 

 

☞ (1) 試験概要について 

             統一試験(ペーパーテスト) ネット試験
受験資格 無し 無し
試験日 年3回(6月・11月・2月) 随時
申込方法

試験の2ヶ月前から開始

(各商工会議所によって異る)

テストセンターの申込サイトより随時
受験料 4,720円 同左
試験科目 商業簿記・工業簿記 同左
試験時間 90分

同左

合格基準 70点以上 同左

 

★ ポイント

(その1)2021年度より統一試験とネット試験を併用する方式で試験が実施されています。

その為、従来であれば年3回の試験日に合わせて勉強スケジュールを組む必要がありましたが、ネット試験を利用する事で自分の好きなタイミング、日時で受験が可能となっております。(テストセンター空席状況による)

日商簿記ネット試験URL

cbt-s.com

 

※ネット試験につきましては、再度詳しく加筆致します。 2022/06現在

(その2)上記のネット試験では、試験終了とともに即時合否判定されます。即時試験結果を紙ベースで受け取り、記載されたバーコードをスキャンして合格証を発行する流れとなります。

 

 

☞ (2) 勉強時間 

  通学・通信 独学
簿記経験無し 250−350時間 350-500時間

簿記3級経験者

150-250時間 250-350時間

フォーサイトより

※個人差はあります。

上記、表に記載の勉強時間は一般的に言われている簿記2級合格までの目安となります。

上記時間は「テキストや問題集をしっかり咀嚼できて」が前提条件です。当然、テキストや問題集の内容が理解できずに、挫折してしまう方も一定数いることをお忘れなく・・・

私自身もおおよそ250時間程度の勉強時間で試験に臨みました。(簿記3級保持後)

但し、休職から職場復帰・転職活動等いろいろな重大なライフイベントが重なった為間が空いてしまい、累計すると一年弱の期間が掛かりました。

 

☞ (3) 教材+費用について 

私が愛用した教材は以下です。(必須はテキストと問題集のみ)

※簿記3級取得がまだの方は、まずは3級のテキストからの学習をお勧めします。

  テキスト  

(ⅰ)スッキリわかる日商簿記2級商業簿記『TAC出版』

※(ⅱ)スッキリわかる日商簿記2級工業簿記 『TAC出版』

※(ⅲ)パブロフ流みんな合格 日商簿記2級工業簿記テキスト&問題集 『翔泳社

※私の場合工業簿記のテキストは2冊使いましたが、どちらか一冊自分に合う方で問題ございません。

 ☞   問題集 

(ⅳ)スッキリうかる日商簿記2級 本試験予想問題集 『TAC』

※問題集はこの一冊のみです。

費用(必要最低限)

(ⅰ)+(ⅱ)スッキリ+(ⅲ)=4,620円(税込) ※2022/06現在

※私の場合は、簿記3級を既に取得していたので、もし簿記3級から受けるようでしたら別途簿記3級テキストの費用が掛かります。

 

あれば便利なもの(必須で無い)

iPad

Apple Pencil

ブックスタンド(肩凝らない) ※上記の写真とは●別商品

以上が私が使用したものとなります。

工業簿記のテキストは2冊使いました。

最初に「スッキリわかる」の工業簿記テキスト(TAC)を使用しておりましたが、非常にわかりやすく丁寧な説明でありましたが、例題自体が少なく感じ、いざ本試験問題を解こうとしたら全く歯が立ちませんでした。後からテキストを読み返しても一向に解ける気がしなかったので、パブロフ流(翔泳社)のテキストに切り替えました。

テキストに関しては好みもあると思いますので、一度書店で目を通して理解しやすそうなものを吟味した方がよろしいかと思います。いずれにせよ多少の差こそあれど、有名どころであればどのテキストでも遜色はないと思います。あまり慎重になりすぎず、第一印象で選んで頂いても問題ありません。

 ☞   Youtube 

現在、Youtubeによる動画コンテンツが非常に充実しており、簿記の学習についても細かく解説しているチャンネルがあるため、ご紹介致します。

1、ふくしままさゆき さん

www.youtube.com

2、たぬ吉 さん

www.youtube.com

3、最速簿記  さん

www.youtube.com

4、よせだあつこ  さん

www.youtube.com

以上、4チャンネルほど

テキストで分からない部分は、動画の解説で理解するようにしておりました。

☞  (4)   勉強方法  

以下、私が行った勉強方法をご紹介致します。

  1. ざっと時間を掛けずにテキストを読む。(商業→工業)
  2. テキストを熟読する。(2周目)わからない単元はYoutubeの動画を見ながら
  3. テキスト付属の練習問題を解いてみる。
  4. 練習問題で解答出来なかったところは、テキストへ戻って再度熟読する。
  5. 予想問題集を解く。(過去問ではなく予想問題集!)
  6. 間違えたところは、テキストで再度復習する。
  7. ネット試験を含め、何周も予想問題集を解く

 

では、さっそく細かく見て行きましょう。

 

1.ざっと時間を掛けずにテキストを読む。(商業→工業)

基本的に簿記2級を学ぶ方は、簿記3級を知らずに解くことはできない為、商業簿記の知識はあると思います。色々とブログやYoutube等の意見を聞くと商業・工業はどちらからでも好きな方でいいと言われていますが、私は商業簿記から手をつけた方がいいかなと思っております。下手に工業簿記(苦手な方が多い)でつまずくより、既に3級で学習した商業簿記で勢いに乗った状態の方が軌道に乗りやすい気がします。

こちらの商業・工業の順序に関しては、もしこだわりがなければ商業から始めることをオススメします。

最初の一週目は熟読の必要はありません。全体を把握するようにざっくり読み進めましょう。

 

2.テキストを熟読する。(2周目)わからない単元はYoutubeの動画を見ながら

商業→工業の順でざっと一周目を通したら、今度はしっかりと熟読してみましょう。一章進むごとに練習問題を同時に解いてみるのもいいと思います。

※わからないところは、上記で紹介したYoutubeで解説を聞きながら理解してみてください。

 

3.   テキスト付属の練習問題を解いてみる。

4.   練習問題で解答出来なかったところは、テキストへ戻って再度熟読する。

こちらについては、熟読と同時進行で行なっていただいて構いません。不明点は極力無くすようにしっかり理解しながら進めます。

 

 5.  予想問題集を解く。(過去問ではなく予想問題集)

 6.   間違えたところは、テキストで再度復習する。

極力、予想問題集を解くことが好ましいです。

なぜなら、予想問題集は過去問を分析したうえで、今年度出題されそうな問題形式を広範囲に網羅しているからです。簡潔に言うと一冊の中で問題が重複しないように総合的に出題されています。

 

過去問を解いていて一体何年分解けば、本試験で合格できるのだろうと疑問に思うことはありませんか?

過去問も毎回同じ問題が出ている訳ではありませんが、少なからず重複している問題や古い出題形式、改正されていない出題範囲等、これから受ける実際の試験対策としては若干効率が悪いように感じます。何より2021年度以降は、試験時間が120分から90分へ短縮されているため、問題数も異なります。正しく時間配分や配点の感覚を掴む意味でも過去問を取り組むよりも、予想問題集を解く方が遥かに効率的だと言えます。

また、予想問題集では、論点は同じでも出題形式を変えることであらゆる傾向の問題に対応できるようになっております。

例えば、固定資産の減価償却の問題でも、PL(損益計算書)を作成する問題とBS(貸借対照表)を作成する問題では、当然のことながら算出する金額、科目が変わってきます。

減価償却の問題:

損益計算書の場合:減価償却費¥〇〇(費用)→  決算単年度分のみの金額

貸借対照表の場合:固定資産¥●● (資産)、減価償却累計額¥××(負債) →    固定資産取得からの累計金額

といったように、出題形式によって計上する科目や金額が変わってきます。

このように同じ論点だけれども出題形式が違う問題を網羅的に習得することができる為、是非予想問題集を解くことをオススメします。

 

7.  ネット試験を含め、何周も予想問題集を解く(過去問は不要!)

そして予想問題集は是非何周もしてください。少なくとも3周、理想としては5周以上できればかなり解答力は向上しているはずです。何周もしていると問題の答えを覚えてしまうのではないかと不安に思う必要は一切ありません。予想問題は先ほども述べたように同じ論点でも出題形式が変わるので、毎周頭を働かせながら出ないと解答出来ません。そして何度も繰り返し問題を解くことで間違いなく力がついて行きます。5周する頃には、合格が確信できるほどになっていると思われます。

 

最後に、本試験問題集のネット試験も必ず解いてください。紙で解くのとPC画面で解くのとでは、作業方法が全く異なるため、PCでの解答に慣れていないと、いくら簿記の知識があってもネット試験で合格することは困難です。

☞ (5)   心構え(モチベーション維持)

私は簿記2級の勉強を始めた当初、かなり甘く見ておりました。

簿記3級の少し細かいことを勉強するのかな程度にしか思っておりませんでした。

しかしながらいざ勉強してみると、テキストを読み進めても連結会計が一向に理解できない、外貨損益の答えが合わない、税効果会計の理屈がわからない、CVP分析の意味がわからない、予定配賦とは何かわからない。。。とテキストを読み進めるだけでも頭が痛くなり、やっとの思いでテキストを読破したと思ったら、本試験問題が全く解けない。問題文が頭に入らない等、訳がわからぬことばかりで、あまりの本試験問題のわからなさに自分がかったテキストは日商簿記の2級で間違いないのかテキストの表紙を確認したほどでした。

そう、簿記2級は甘くないのです。

ここで断言しておきますが、簿記2級はテキストとテキスト付属の問題集を解き終わった時点では、まだ半分程度の勉強量しか終えていません・・・

 

商業・工業のテキスト2冊を読破し理解した上でまだ半分程度なのです。

 

いわば、インプットの勉強しか終えておらず、アウトプットの勉強は、

 

予想問題集を解くところからはじまります。

 

私は商業・工業のテキストと練習問題を終えた後、ここまで頑張ったんだから後は予想問題を何問か解いたら試験に臨めるだろうと高を括っておりました。

 

やっとの思いでテキストを乗り切ったにも関わらず、本試験問題が全く解けなかった時の取り乱し方は異常でした。

 

正直心が折れました。

 

しかし、これを読んだ皆さんはそのような状況には陥らないはずです。

覚えていただきたいのは、テキストの理解がゴールではありません。予想問題の1冊を軽々と一日で解けるようになることがゴールです。テキスト完遂で集中力を切らさぬよう、そして初見の本試験レベルの問題を見ても取り乱すことがないよう予めお伝えしておきます。テキストを終えた時点で予想問題は20点取れれば良い方、おそらく10点取れるか取れないか程度が普通だと思われます。この事実を知ってから、予想問題集に取り組むのと、知らずに予想問題集に取り掛かるのでは精神的には雲泥の差があると私は思っております

☞ (6)  試験環境(ネット試験で受けましょう)

受験者データ

  受験者数 実受験者数 合格者数 合格率
ネット試験(2021年4月~6月)   20,368名 9,132名 44.80%
158回(2021年6月) 28,572名 22,711名 5,440名 24%
157回(2021年2月) 45,173名 35,898名 3,091名 8.60%
ネット試験(2020年12月~2021年3月)   29,043名 13,525名 46.60%
156回(2020年11月) 51,727名 39,830名 7,255名 18.20%
154回(2020年2月) 63,981名 46,939名 13,409名 28.60%
153回(2019年11月) 62,206名 48,744名 13,195名 27.10%
152回(2019年6月) 55,702名 41,995名 10,666名 25%

日本商工会議所HPより

上記の通り明らかにネット試験の方が合格率が高いというデータが出ています。

ネット試験は各個人が自身の勉強の進捗具合によって受験時期を調整して受験するタイミングを選べる為、統一試験より合格しやすい傾向にあるようです。

またネット試験を導入して間もないことから、難易度が低いもしくは悪問を出題しないという日商側の配慮もあるのかなと思われます。(これはあくまで私の推測・・・)

またネット試験は、自宅の最寄りのテストセンターで実施することができ、日時も指定することができる為、精神的にもリラックスして試験に臨めるのではないでしょうか。

★注意事項

・ネット試験は、会場に着いた途端、席を案内され個別に試験を開始できます。そのため時間より若干早く会場に着いても、テキスト等見直す時間はないと思って下さい。

・季節によっては、試験会場の温度が気になる場合があります。(冷暖房が十分に効いてないなど)当日の気温に合わせて、快適に試験に臨めるよう服装や温度管理等気をつけたほうがいいかもしれません。(私の会場は扇風機しかなかった為、6月の中旬としては若干暑さが気になりました)

・前述でも触れた通り、PCで問題を読み、画面に入力する形での回答となります。予め、マウスの操作、キーボードでの入力、プルダウン選択に予想問題集付属のPC用問題で慣れておいた方が無難だと思われます。当然の事ながら問題文もPCの画面越しの為、書き込みは不可能です。計算用の用紙は白いA4の紙が2枚配布されました。(持ち帰り不可)

 ☞ まとめ 

以上、私が簿記2級をネットで受験し経験したことを記載致しました。

こちらのブログを通じて最もお伝えしたい事は、私のような経理初心者で頭の悪い人間でも取得できたという意味では、誰でもしっかりと対策を練れば合格可能だという事です。

簿記2級に特別な頭の良さや回転の速さ、理系のセンス等は一切関係ありません。使用するのは、あくまでも小学校で習った四則計算であり誰しもが理解しうる内容です。学校や仕事、子育てをしながらの勉強は決して容易ではなく体力的にも精神的にも辛い部分はあるかと思いますが、しっかり時間を掛ければ間違いなく合格はできるでしょう。

決して何冊も問題集を解く必要はありません。一冊の予想問題集を何度も繰り返し、高得点を取得できるようになるまで練習してください。解説を見たのち満点を取るまで何度も同じ問題を繰り返すことで本番で発揮できる回答力は間違いなく付いてきます。

 

ぜひ一冊の問題集を解きこむ、という作業を繰り返し行い合格するための基礎を作り上げて行って下さい。

また、こちらの文章を読んでお気づきの点や疑問点、何か知りたいこと等ございましたらこちらのコメント欄やTwitterを通じお連絡頂ければご回答致しますので、何なりとお申し付けください。

皆様のこれからのビジネス現場でご活躍されることを心よりお祈り申し上げます。